僕はメロンバーが好き。
夏は暑い。
そんな事はわかりきっているわけで、
「あー、暑い暑い。なんでこんな暑いんかね~」
とか10分に1度つぶやきながら、貴重な1日を家の中で汗まみれで過ごすことはしたくないわけですよ。
じゃあどうするか。
クーラーが効いた寒い部屋の中で、ブランケットに包まりながら、メロンバー片手に「あそびあそばせ」を見る。
はい、これが我々人類に許された贅の極みですね。
僕はかすみさん派です。よろしくお願いします。
あそびあそばせについては一旦置いておくとして、今回僕が語りたいのはメロンバー。
いやぁ、メロンバーっておいしいですよね。
三角形で体内には白いホワイトチョコの種子をふんだんに隠し持っているにくいあんちきしょう。
スイカバーは1本売りしているけど、メロンバーは箱売りファミリーパックでしか食べることができませんから、
そのレア度みたいなものが、人間が持つ卑しい特性「希少性が高いものは無条件で素晴らしい」の部分をくすぐりくすぐり、あゝ無常。
なにやらネットなんかを見ているとスイカバーがお好きな方が多いようで、メロンバーはマイノリティ扱いを受けておるわけです。
でもまあしかしとはいえ、マイノリティ扱いの何がいけないの、というところでして、
メロンバーがもつ確かなメロンの風味、さわやかさ、甘くておいしくもありつつ、メロンバーの体色に若干同化し、存在感薄げで奥ゆかしいホワイトチョコ種
すべてが〇!
難癖をつけがちな僕が、なぜこんなにもメロンバーを肯定するのだろうか、とふと思い返すと、子供の頃の思い出が出てきた…。
小学生の頃、家族ぐるみで付き合いのある友達がいた。
僕、僕の兄がいて、兄の友達と、その友達の兄の4人で遊ぶことが多かった。
とはいえ、僕が小学生低学年なら兄や兄の友達兄弟は高学年だ。
僕の立場でいえば遊んでもらうという表現が正しいだろう。
僕たち兄弟は、しばしば、その友達兄弟の家にお泊りすることが多かった。
その時にふるまわれるのが、スイカバーメロンバーファミリーパックだったのである。
そんなとき僕が選ぶのは決まってメロンバー。
何故って?
当時徹底した食わず嫌いだった僕は、スイカバーは、スイカを使っているから嫌だ!と思ったのである。
(例えばメロンジュースやメロンアイスはしばしば見かけるが、スイカジュースってあんまりない)
いわば、メロンバーが僕の心のよりどころであり、救いだったわけだ。
泣き虫さんで笑顔のかわいらしい子供だった僕は、なにかにつけお菓子類をもらう事が多く、メロンバーはみるみるうちになくなっていくことになる。
するとどうなるか。
兄達がふとメロンバーを食べたいと思ったときに、メロンバーの姿はどこにもなくなる。
僕がたべているから。
さぁ、想像してみてほしい。
あなたに4つ下の弟がいて、なんか親たちには可愛がられているし、好き勝手に好みのアイスを食っている。
自分だってたまには食べたい。
その気持ちは、友達兄弟とも共有している。
となれば、することは一つ。
こっそりいじめるでしょう。
お泊りをした夜、体重およそ30キロ以上離れた兄弟、友達に一晩中のしかかられるの刑に処された。
「お前、調子に乗るなよ」
「お前ばっか好きなもん食いやがって」
「俺たちにも残す気持ちはないのか」
食い物の恨みは恐ろしい。
たかがメロンバーくらいでなんで僕がこんな目に。
これなら、嫌々でもスイカバーを食べたほうがまし…。
嫌でもそんな気持ちにさせられた。
次の日
メロンバーを食べている僕がいた。
スイカバーが嫌って気持ちはもちろんあった、
でも、メロンバーを食べる理由はそうじゃない。
メロンバーが本当に好きだった。
いじめられたから、メロンバーは食べない、というのも何か負けた気がして嫌だったのを覚えている。
僕にとって、メロンバーを食べるという行為に、いじめに負けない、負けたくないという不屈の精神が込められていたのだ。
この夏、20年弱の時を経て、メロンバーを食べた。
やっぱりどこか、特別な味がする。
想い出って、大切だ。
そしてこの夏、僕は人生において大切なことに気づくことになった。
スイカバーうめえわ!!!!!
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